『鳴潮』は自由度の高い戦闘と多種多彩なコンテンツが楽しめるオープンワールドアクションRPGである。プレイヤーは長い眠りから目覚めた「漂泊者」となって自分の記憶と物語を探す旅に就き、十人十色の共鳴者の仲間たちと「悲鳴」を乗り越えていく。
鳴潮(めいちょう)は、KUROGAMESからリリースされた基本無料のオープンワールドアクションRPGです。同社の代表作でもある「パニシング:グレイレイヴン」同様、本格的なアクションと高品質なアニメ調のキャラクターを特徴としています。また、ゲームシステムの多くが「原神」を踏襲しており、差別化点とクオリティの比較でも話題になっています。
『鳴潮』をPCで遊ぶ方法?
本作だけではなく、「ブルーアーカイブ」、「ダダサバイバー」、「FGO」などの人気作もNoxPlayerを通じて、PCでプレイすることができます!
PCで『鳴潮』をプレイするメリット
非常に優れたゲームシステムを持った鳴潮ですが、シナリオの部分では軽視できない問題点を抱えています。
序盤のストーリー体験が非常に悪い
開始早々、馴染みの薄い漢字での常軌を逸した量の専門用語が次々とプレイヤーに浴びせられます。会話の中で専門用語の意味を尋ねても新たな専門用語を複数使って説明されるため、ほとんど意味がわからないまま物語が進行していきます。
話を要約してくれるキャラクターも登場せず、自分は今何のためにこの行動をしているのか、さっきまでしていた事は何だったのか、判然としないまま1幕~3幕までひたすら耐え忍ぶ時間が続きます。
後々になると1~3幕のシナリオの大筋はわかる作りになってはいるものの、思い返してみても話の繋がりが支離滅裂で、描写方法に重大な欠陥を抱えていると言わざるを得ません。
中国産のゲームは大なり小なりこういった傾向にありますが、少なくとも筆者がプレイした中では本作がダントツで序盤のシナリオの理解が困難なものでした。
4幕からは多少盛り返す
難解を通り越して不可解な1~3幕を超え、4幕に入ってからは話の筋が少しずつ明瞭になっていきます。
このあたりからは登場するキャラクターも言動にインパクトがあり、設定と背景だけをひたすら専門用語で説明されるといった状況が減ります。
5章以降はキャラクターが華やかになっていき、画面の色彩も豊かになり、シナリオにおける苦行は終わりを迎えます。
6章では演出にも力が入り始め、迫力のあるアクションシーンも登場し、いくつかツッコミどころはあるものの、安心して物語を見ていられるようになっていきます。
BGMの印象が薄い
本作のBGMは多くがアンビエント調で、BGM主体で演出するというよりはプレイヤーに寄り添うような方向性をしています。
ただ、フィールドでもシナリオの山場となるバトルでもBGMが常に3歩も4歩も引いている状態なので、6幕の最後までプレイしても印象に残ったのはスタート画面の曲くらい……という程度にはBGMが薄味です。
6幕の山場となるバトルでもBGMの後押しが皆無なので、勢いが出なかった感が否めません。
課金圧については現状不明
ガチャは若干ゆるい
鳴潮のキャラガチャは、最高レアの星5の排出率が0.8%、天井が80連で、50%の確率で限定キャラor恒常キャラが排出されます。
ピックアップされている限定キャラ用の武器ガチャもあり、排出率と天井はキャラガチャと同じで、星5排出時は必ずピックアップ対象が出る仕組みです。
また、天井までのガチャ回数が次回以降に引き継がれるほか、限界突破用の素材が高レートではあるもののガチャの副産物で交換可能です。
ざっくり言うと、原神より若干やさしく、限界突破もしやすく、特に武器ガチャは天井で確定で入手できるため、相対的には緩めのガチャと言えます。
ただし、エンドコンテンツで要求される水準がまだ不透明なため、いわゆる無凸でどの程度通用するのかは不明で、課金圧についても現段階では何とも言えません。
配布は現時点では多いが埋蔵量は少ない
リリース直後ということもあり、恒常セレクトチケットや限定ガチャチケット20連分など、配布は非常に多いです。
ただ、フィールドの探索や各種任務等でもらえるガチャ石は原神とさほど変わらず、埋蔵量はあまり多くはありません。
リリース直後のサービス期間が終わった後にどうなるかはまだわからないため、配布量に関しては今後の運営の動向を見守っていきましょう。
日課と他タイトルとの両立
デイリーは軽いがスタミナ消化は重い
鳴潮のデイリーミッションは比較的軽く、慣れれば数分で終わります。
反面、スタミナの消化はなかなかに重めで、育成用に周回するコンテンツを余裕でクリアできる戦力になるまでは、それなりに時間をかけて消化することになるでしょう。
育成で使うスタミナはかなり重い
キャラの育成及び音骸の育成にかなりのスタミナを持っていかれるため、育成は長期的に進めていくタイプのゲームです。
スタミナに石を割らないのであれば、当分の間は育成が自転車操業になるものと思われます。
他タイトルとの両立は十分可能
余暇の時間にもよりますが、本作はデイリーが比較的軽く、スタミナ消化も慣れれば30分はかからないため、他のゲームとの両立は十分現実的です。
アップデートの頻度もガチャスケジュールを見るに42日周期になるものと思われ、自分のペースでゆったり遊べるタイトルです。
総評
アクションとキャラグラフィックは一級品。シナリオとBGMは改善が欲しい。
ゲームシステムの多くの部分で原神を踏襲しているため、新鮮味は薄いものの、一つ一つが高品質かつ作り込まれています。
特にオープンワールドでのザコ戦闘に大きな意味を持たせた音骸システムは、本作の大きな特徴となっており、原神以降の聖遺物システムを採用したタイトルの中では最も発展的な形を示すことに成功しています。
反面、シナリオの掴みの悪さとBGMの薄さがゲーム体験を不十分なものにしていて、広義でのナラティブに課題が残った状態です。